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成仏させたいっ~3~

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ホームルームが始まり、担任が出欠をチェックして
一限目の授業が始まってもオカマ幽霊はふわふわと僕の横に浮いている。
クラスの誰1人その姿は見えるやつなんていない、僕以外は。
こんな時つくづく思ってしまう、霊感なんて欲しくなかったと。
何の役にも立たないし、時々驚かされるし
挙句の果ては、変なのに取り憑かれてしまった。

「高校生ってピチピチして素敵だけど
 もう少し大人っぽいのがタイプなのよねぇ~ああ、惜しいわ」

聞えてくる幽霊のくだらない呟き。
そうか、そうなのか、高校生はタイプじゃないのか・・それは安心だなって
それでいいのか?
いつまで僕はこいつに纏いつかれるのだろうか・・。

しかし運が良かったというべきか、僕の通う高校には生徒から教師に至るまで
オカマ幽霊が一目惚れするような相手は見つからないままに一日の授業が終わってしまったのだ。

「ねえねえ、チャンミンは部活はしてないの?」
「残念ながら僕は帰宅部だよ」
「そうなの」

周りに人けのない下駄箱なので僕も返事をしてやりながら下履き揃えた。

「まっすぐ家に帰っちゃうだけなのぉ?」

つまらなそうに僕の横で浮遊しているオカマ幽霊のフェミニンなスカートがひらひらと舞う。
この幽霊見た目はなかなかに可愛い系だし性格も明るいので、ホラーな雰囲気とはかけ離れているのは救いだけど
成仏させるのが難点だとしか言いようがない。

僕が一人で自宅への道をのんびり歩いていると、途中のコンビニで袋を下げたユノさんが顔を出した。

「やあ、チャンミン」
「ユノさん」

明るい笑顔で僕に挨拶するユノさんは近所の大学生で評判のイケメンだ。
彼は僕の高校の卒業生で、3年の時は生徒会長だった。
その上家が近所なので、かなり親しい間柄でもある。

「今帰り?」
「そうです」
「アイス買ったから一緒にどう?俺んち寄ってかないか?」
「いいの?行きますっ!」

僕は幽霊と2人連れなのを忘れてユノさんのお誘いに舞い上がってしまい
慌てて確認すると何故か気配が消えていたのだった。

え・・?
消えてる?まさか成仏した・・なんてコトないだろうけど。

しかし消えてくれるのは大歓迎なので、僕は気がねなくユノさんの家にお邪魔することにしたのだった。

「はい、どうぞ好きなの取っていいよ」
「ありがとうございます」

ユノさんが差し出す袋からバニラアイスを選ぶ。
7月ですっかり暑くなってきたからエアコンの効いた部屋でアイスを食べるのは至福だ。

「咽喉乾いたな、ちょっと飲み物取ってくるよ」

ユノさんが立ち上がり部屋を出ていく。

するとまるでそれを見計らったみたいにオカマ幽霊がぼわんと姿を現したのだった。

げ・・やっぱりいたのか・・こいつ。

僕が冷えた眼差しを送っているというのに、そいつは紅潮した頬をして

「ちょっ、ちょっとぉ、ドストライクよぉ!!もうど真ん中なの~!」

と意味不明の呟きを漏らしてやたらに興奮しまくっているのだった。

「なにが?」
「だからぁ、あの人すっごく私の好みなのっ!一目で陥落したわ・・あまりにドキドキして隠れてたの・・凄く素敵すぎるわっ」
「へ・・?」

だんだんと嫌な予感がしてしまう僕に

「彼がいいわ、アタシ彼と出来たら絶対に昇天出来ると思うのっ!
 お願い協力して頂戴!私の一世一代のお願いよぉ!!」

とトドメを刺したのだった。









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