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執着と情熱と~9~

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講義が始まる15分前、いつもの席に陣取っているとドンヘがやって来て挨拶もせずに隣にドカッと腰を下ろすと

「はあっ・・頭痛てぇ・・」

と眉を顰めて呟く声。

「なんだよ、二日酔いか?」
「まあ、そんなとこ・・痛み止め持ってない?」
「悪いけど持ち合わせてないや」
「そっかぁ・・」

情けない顔をしたドンヘに神の助けが舞い降りた。

「ほら、痛み止め」

後ろから差し伸べられた手の上の錠剤、屈託ない笑みを浮かべたヒチョルだった。
こいつはなかなかに用意周到だったりする。

「おわ、大感謝!」

お調子者のドンヘはヒチョルを拝むようにして受け取り、自分のリュックから取り出したペットボトルで早速錠剤を流し込む。
そんな様子を何げなく眺めていた俺の視界の中に、チャンミンの姿が入り込んで
単にそれだけなのに、俺の方はやたらに意識して構えているのは何なのだろう。

ちらりと視線を泳がして絶対に目が合ったと思うのに、向こうの方はまったく平然としたもので

最初の晩の時もそうだけど

二度目のあの夜の事までもが、夢だったのかもしれないみたいな錯覚を起こしてしまいそうなくらいの他人行儀さじゃないだろうか。

今までどちらかと言えば、高を括るのは俺の方だったというのに
今回ばかりはそれが逆転しているし、振り回されているのは俺の方ばかりみたいで
勝手が違う。

「おい~ユノ聞いてるのかよ?」
「は?なんだっけ?」
「お前、やっぱり上の空だったな、だからこないだの店でさ」
「あ、悪い悪い、考え事してたからさ」
「ちゃんと聞けっての!」

痛み止めの効果だろうか、元気を取り戻したドンヘに相槌を打ちながら
俺はチャンミンの姿を目の端で追うのをやめたのだった。


「以上で本日の講義は終了!レポートの提出期限まであと3日だ、まだ提出前の者は
 厳守するように」

教授の一礼で講義は終了。

直ぐに教室から出ていく者達や、その場でだらだらと残っている者に分かれる中で
チャンミンは席についたままでノートを開き真面目な表情でペンを走らせている。
すると、入り口に顔を覗かせ、残っている誰かを探しているようなそぶりをしていた
男子学生が真っ直ぐチャンミンの方へ寄って行き、声を掛けたのだった。
親し気に笑顔を向けるそいつに気づき、チャンミンも顔を上げると
いそいそとノートを片づけ示し合わせていた風に連れ立って背を向けて行ってしまった。

あれは・・誰だ?
どういう仲なんだ?
単なるオトモダチってやつか?

俺はいつのまにそんな風に勘繰りながら眺めてしまっているのだろうか。







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