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メビウス・デイズ~3~

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彼はバスを降りてしまったが、チャンミンはその後を追わず、その場で無かった事のように隣に立っているキュヒョンに

「あのさ、キュヒョン今のやつだけど・・なんだったのかな?」

そう問いかけてみると

「今のやつって何のこと?何もいつもと変わっちゃいないだろ、チャンミン」

笑顔でそう返され背筋が寒くなる。
いつもと変わりない変わるはずがない、それはまるで呪文のように心を縛っていく。
「そうだよね、ごめん変な事言って」
「それよかさ、一限目の課題さあ途中なんだよね、チャンミンの写させてよ」
「まったくキュヒョンはいつも・・」

まるでインプットされたみたいに口から勝手に出ていく言葉に
自分が上面だけをなぞっている気にさせられてしまう。

どうしてこんなに心が重たいのだろう。

全てはあの男の所為なのだ、すらりとした長身目立つ容姿良く通る声忘れようとしても忘れられないあいつの所為なのだとチャンミンは自分に言い聞かせていた。

教室に入ると見慣れた顔ぶれに安堵しながら窓側の自分の席に座り何げなく外を覗いて
チャンミンは目を見張ってしまう。
そこからは校庭から裏門までが見渡せるその場所にあの男が立っていたのだった。
まっすぐに校舎を見上げるようなその姿勢はチャンミンが見ていると気づいている様にすら見えた、そんなはずはないというのに。

慌てて顔を伏せ祈るような気持ちでもう一度窓側を覗いてみる、どうか見間違いであってくれと。

その願いが通じたかのようにチャンミンがもう一度覗き込んだ時彼の姿は忽然と消えていた。


それからも一日というもの事あるごとにチャンミンは窓の外を探して見たものの
彼の姿を見つけたのはその時の一度きりだった。

夕刻、校舎を出てバス停へと歩き出したチャンミンの前に
彼はまた現れた。

「やあ、少しくらい時間あるだろ?チャンミン」

右手を挙げて笑顔でそう告げられ、チャンミンはこれ以上逃げるのは無駄だと悟った。

「判りました、少しだけならでもその前に名前教えて下さい、そっちだけが僕の名前知ってるのは不公平だから」
「そうだね、今頃だけど自己紹介からだな、俺の名前はチョン・ユノ
 ユノって呼んでくれていいよ、チャンミン」

そう語りかけながらユノは満足げに双眸を細めてチャンミンを捕えている。







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