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ずっと前から好きだった~3~

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昼休みになって僕はユノの姿を探した。
職員室をこっそり覗いたけれど見つからないのでもしかしたらと科学準備室へと脚を運んでようやく見つけた。
今度は2人きりだし他の生徒の眼も無いから大丈夫、そう思ってユノに声を掛けてみた。

「あの、一緒にお弁当食べても良い?」
「・・・」

ユノはサンドイッチを摘む手を止めて僕を見上げると、不機嫌そうに眉根を寄せる。

「人の事を馴れ馴れしくユノとか呼ぶな、ここは学校なんだ」
「あ・・ごめんなさい」

2人だからと思ったのに僕はユノに窘められて少しだけ萎れてしまう。

「僕・・つい懐かしくて、まさかユノに再会出来るなんて、ずっと忘れたことなんて無かったから、あ・・ユノじゃなくて先生に・・」

懸命に伝えようとする僕から逃げるように視線を逸らすと

「だから、俺はそんなにお前の事なんて覚えてない」

ぼそりと言い捨てたのだった。

覚えてない・・またも云われてしまった。
大ショックな一言。

大好きだったユノが、僕の初恋だったユノが・・
あんなに毎日遊んでくれていた僕を覚えてなんかないと云う。

そんなに印象が薄かった?それとも僕なんてどうでもいい存在だったの?
そんなの・・そんなの・・あんまりだ。

「嘘っ!そんなの嘘だ、酷いよ・・ユノ、僕を本当に忘れたの?
 チャンミンだよ、あんなにいつも遊んで貰って・・
 そんでもって可愛いって何度も云ったじゃないかっ!!」

僕はあまりのショックに少しだけヒステリーを起こしてしまったのかもしれない。
一気にユノを責めてしまうような事を云ってしまった。

「嘘ってなあ・・お前さあ・・」

僕が半泣きになっているのに気付いたユノが少しだけ顔色を変える。

「男の癖して泣くなよ、高校生にもなって」
「だってユノが意地悪言うから・・」
「意地悪とかじゃなくて・・」
「意地悪だもん、僕の事忘れたなんて酷い意地悪」

流れ出した涙が止まらなくて、ぽろぽろ零れ落ちてゆく。
ユノは小さく溜め息をついて

「ほら・・俺は先生でお前は学生なんだから」

ポケットからハンカチを出して僕の前に差し出すから受け取って顔を拭いたのだった。

先生で学生って、それが何なんだろう。
僕には全然関係ない、これは運命の再会なんだから。






「ユノ、ユノっ、兄ちゃんが僕のゲーム横取りするんだ」
「チャンミン、また泣かされて来たのか?」
「うえぇ~ん、悔しいよ」
「よしよし、こっち来いよ、俺と一緒にゲームしょ」
「うん・・ユノ大好き」
「さっきまで泣いてた癖にもう笑った」
「えへっ」

あの頃チャンミンには年上の兄がいて喧嘩したりしては俺の処に逃げ込んでいた。
半泣きで顔を真っ赤にしていたり、悔しがったりしている姿も可愛くて
俺が構ってやるとすぐに機嫌を直していた。

そうだった、チャンミンは結構泣き虫だった。

俺が引っ越すって話になった時も散々に泣かれたんだった。

科学準備室で昼飯中の俺の処にチャンミンがやってきた。
覚えてないと云う俺を意地悪だと罵って、ぽろぽろ涙を零しているのを見ると罪悪感で胸が痛い。

はあ・・俺だって少しは切ない。

子供の頃は無邪気で可愛いかったけれど、高校生になったチャンミンはますます可愛いくてその上、綺麗になっていると思う。
すらりと伸びた手足、細い首、少し丸っこい肩のライン。

なんとなく抱きしめたくなるような・・オイッ俺は何を思ったんだ。

ダメだ、こんな想像絶対にNGだ。

過去は美しい思い出に・・いやいや、あれはトラウマだ、危険信号だった。
チャンミンと出会わなければ俺は気付かなかったかもしれない、己の性癖、未知への扉の前で踏みとどまれたかもしれないのに・・

チャンミン、お前の所為なんだ何もかも・・俺が道を踏み外したのは・・。

だから、ダメだ、お前にだけは手を出す気はないんだ。







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